ゴールデンカムイの原作コミックをなぜおすすめするか
ゴールデンカムイのアニメ版
ゴールデンカムイアニメ版、もう見ましたか?
2018年4-6月に第1期、10月から第2期が始まっています。
アイヌの少女アシリパと「不死身」の杉元を主役にさまざまな個性豊かなキャラクターたちが、金塊を求め絡み合う。
原作のおもしろさを維持しつつ、音声や間のとり方など、アニメの特性をいかしての緊張感の盛り上げ。
すでに内容が知っているファンが見てもがっかりせず、原作通りであるにもかかわらず楽しめるのが近年のアニメのすごさところです。
ゴールデンカムイアニメ版はAmazonでWeb視聴できます。
ゴールデンカムイの原作コミックをおすすめする理由
では逆に、アニメを見てゴールデンカムイに興味を持った方が原作コミックを読む必要はあるのでしょうか。
読むことをおすすめします。
なぜなら、アニメはアニメの特性をいかすために、ストーリー上、必須ではないシーンは削ってしまうことが多いです。
必須ではないものを、良い意味でだらだらと(出版社・作者側にとっては実験的に)楽しめるのがマンガの特徴です。
ゴールデンカムイは知識欲・ギャグ・バトルアクション・スリルにサスペンスなど、マンガに求めることができるあらゆるジャンルの楽しみを高いレベルで味わうことができる、すさまじいマンガです。
そのハイレベルを独特の空気を維持しつつ、さらっとやってしまうように見えるところがすごい。
知識欲の刺激
日露戦争直後のアイヌ民族の生活・考え方、それに伴う狩りの話など。
「へえ」という数々の話。
1巻の途中まで、私はストーリーよりも知識欲の刺激が主体のマンガかなと思っていました。
文章で一気に数コマで説明する分にはいいのですが、アニメでストーリーにかかわらない部分を長々と説明すると飽きが来てしまいます。
よって、アニメではかなり省略されています。
ギャグ要素
なんと言っていいかわからないシュールなギャグ、インテリジェンスなギャグ、不快な気分にならないシモネタ…だいたい外しません。
シモネタ系は入浴シーンで男性キャラクターたちにポーズをとらせるとか。
しかも唐突な意味不明さが。ただもちろん人によると思います。
扉絵でもコミック版は毎回遊びます。
毎回って、精神的に苦痛ではないのだろうか。楽しめているんでしょうか。すごい。
よくやるのが、扉絵の1ページで、アシリパさんとかわいい動物と冒険を繰り広げてきた的な、嘘のハイライトを流す。次のページでアシリパさんに狩られていると。
扉絵での遊びはアニメでの再現が難しいですね。アイキャッチで入れてもタイミングがあわないと…。
説明(ツッコミ)なしに学校の教科書で見たシーンのマネごとを入れてきたりもします。
唐突に最後の晩餐をモデルにした見開き横長の一コマを入れてきたこともありました。
実はかっこいい絵も書く
野田サトルさん、ひょうひょうとしたストーリーでありながら、実は単体で「魅せる」レベルのかっこいい絵もかけます。
アクションシーンも書けます。万能。
印象に残るセリフたち
独特なセリフが数多く存在します。
名セリフは下記に多数掲載されています。
意外とサスペンス!
ゴールデンカムイも後半になってくると、今まで敵・ライバル関係にあった勢力・個人とついたり離れたりを繰り返します。
それぞれの思惑があってのことなので、各個人には重大な「隠していること」があったりします。
杉元たちの最大の敵と思っていた鶴見中尉とも一時的な協力関係になったり。
このついたり離れたりは、ゴールデンカムイの醍醐味となりつつあります。
スリルある戦闘シーン
相手の考えを読み合うスナイパー対決はスリルありますね。
熊との戦いは毎度秀逸。
つうかグロいから、本当に見せたいシーンは紹介していません。
アニメでも自主規制でグロすぎるーンはのせられません。
原作の方が熊の恐怖がより一層引き立ち、スリルが増します。
魅力的なキャラクターたち
これはマンガと原作の違いという話ではないですが、ゴールデンカムイはキャラが映えています。
ぶれない主人公
杉元は好きあってるんじゃないかくらいにアシリパさん第一。
かといって、敵とみなした相手にはまったく容赦ない。
死体とはいえ、人間から入れ墨の皮をはぐのにも躊躇がない。
敵からは逃げずに懐に飛び込むことで常に窮地を脱する戦法もぶれない。
基本、善人ではあるが自分やアシリパさんの身を脅かす相手には容赦なく生命を奪う。
自分の生命を守るために、傍目には自分の生命を余計危険にさらすかのよう。
自分というものを非常に強く持っているため、交渉ごとも妥協なし。
よく言えば本質以外の部分にまどわされない。
自らの考え方に実直。
不誠実を感じた相手には、生命のやり取りをも辞さない。
決して人の命を重んじるタイプではない。
聡明な少女ヒロイン
非現実であっても、聡明・誠実な少年少女キャラクターは読者の支持を得やすいものです。
ゴールデンカムイのヒロインアシリパさんは、年齢からは考えられないほど博識、勇敢、確固たる自我を持っている。
裏切りそうで裏切らない白石
脱獄王の称号を関する実はすごい白石。
完全に色物扱いされており、土方チームに脅されたときも杉元たちに隠れて協力はしたが、もっとも重要な情報はわたしていなかった。
たしかに、牛山に入れ墨の写しをわたしたときの様子では、偽物を渡したのかもしれないと思わせぶりだった。
それが確信され、杉元も理解してくれたので、ちょっとうれしいシーン。
作者も白石は気に入っているようす。
人情!実はもっとも常識人:マタギ谷垣
(簡単にくつがえったので)信念ないまま鶴見中尉のもとに在籍し、アイヌの村(アシリパの村)でお世話になったらその生活から抜け出しにくくなり、インカラマッに押されるまま良い仲になり…けっこう空気に流されやすい点も、普通の人っぽくて良い。
狂気的だが憎みきれない敵・ライバルたち
基本的にはライバルたちはみな、自分の目的のために、無関係の相手であっても人殺しを辞さない極度に自分勝手な人々なのですが…。
ずいしょずいしょで憎みきれないシーンを入れてくる。
倒すべき相手・ライバルであっても、どこか感情移入できる部分を残しておいてもらうと、人気が出ますよね。
歴史上実在した人物名も出てくる
歴史上、実在した人物も入れてきます。
例えば新選組の土方歳三、永倉新八などです。
実在した人物名を使っていても、当然ながらフィクションです。
実際に彼らが金塊探しを行ったと誤解しないでね。
他の主要キャラクターも、その見た目やキャラクター性を発想するもととなったモデルがいるいうWeb記事もあります。
見た目がかなりそのまんまだったり、ただ名前と逸話を参考に発想を広げていたりと、いろいろです。
検索してみるとおもしろいです。
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