三橋と伊藤はどちらが強いのか

2018年9月13日おすすめ

けっこうおすすめ「今日から俺は!!」とは

2018年10月にも実写ドラマ化された「今日から俺は!!」

https://www.ntv.co.jp/kyoukaraoreha/

2020年には映画化もされました。

https://kyouore-movie.jp/

原作は、 西森博之氏。

1988年に連載を開始、1997年に完結した漫画です。

高校生の不良の話ですが、ジャンルの大枠としては「銀魂」「スケットダンス」が近いと思います。
ギャグパートとシリアスパートを順繰りに繰り返す。

高校デビュー(不良化)した二人の主人公。
もともと運動神経がよく、不良歴は浅いが、ケンカしたら負け無しで、すぐに地域の伝説と化す。

三橋は普通にバトルしても強い上、卑怯な手を平気で使い、性格も通常の高校生以上に子供じみた部分がある。
逆に伊藤は弱い者いじめが嫌いな正義漢。

少年漫画ですので、不良と言いながらも主人公たちは、ケンカっぱやい程度で、読んでいて読者の気分をいちじるしく害すことはやりません。
三橋も悪いというよりせこいだけ。

しかし、二人とも仲間に危害を加えられると、途端にシリアスモード。

旧年代の「不良」ですので、最初は違和感がありますが、慣れるとギャグもシリアスパートも、なかなかおもしろい!

そして、読んでいるうちに気になるのが、「結局、正々堂々と戦ったら、伊藤と三橋はどちらが強いの?」。

そんなことを考えるのはナンセンスとも言えるのですが、どうしても気になってくるのです。

作中では、だんだんと「三橋最強」「伊藤No.2」という印象が強まっていきます。
しかし、読み込むと感じるのですが、どうもその順位を、確定させているわけではない様子。

三橋の場合、「卑怯」と呼ばれる奇策や性格の悪さ(しつこさ、喧嘩っ早さ)をまじえての総合評価であり、正々堂々と戦ったときについては不明確なままです。

三橋と伊藤、正々堂々ならどちらが強いの?参考になるシーンを抜き出してみた

三橋と伊藤が正々堂々と戦った時、どちらが強いかの参考になるシーンを抜粋していきます。

相手が多数、武器を持っているがゆえの敗北・逃走、格下とのバトル、ただのわるふざけ。

それらについては参考にならないので、無視しています。

1巻P.17 最初の直接対決

(C)1988-1997 西森博之

本当に初期。

わるふざけ抜きで直接ケンカするのは、けっこうめずらしい。

結果はほぼ互角。

翌日のケガの様子を見ると、浅いケンカでとめた様子。

なお、この前にも教室でなぐりあっていたが、教師にすぐとめられた。

3巻P.50 三橋の証言

(C)1988-1997 西森博之

「伊藤は俺よか強え────!!」

物語が進んでキャラが定着してからの三橋では考えられないセリフですが、当初はこのような発言も飛び出していました。

ただし、前ページの「伊藤は今頃ボロゾーキンみてェーにやられてんぜ!!」を受け憤慨しての発言。

同一の対戦相手での比較「相良」

相良と戦った場合を比較します。

伊藤の場合 5巻P.148, P.159

(C)1988-1997 西森博之

5巻P.148で相良にやられる伊藤。

しかしこれは、最初に背後から不意打ちをくらって大ダメージを受け、本来の力を発揮できていないせいでもあります。

(C)1988-1997 西森博之

そして根性で立ち上って追いかけるがP.148でのケガに加え、相良の仲間に空き瓶で後頭部を殴られる。

そのダメージを引きずりながらも、5巻P.159にて、相良をノす。

三橋の場合 5巻P.184

(C)1988-1997 西森博之

伊藤は不意打ちをくらったのに対し、三橋は相良の「ヒキョーな手」をいともたやすく看破しての「マジでやろーぜ!!俺にヒキョーな手は通用しねーぞ!!」。

今回の抜粋条件は総合力ではなく「正々堂々」である。
よって、伊藤への評価は不意打ちで大ダメージを負っていたことを差し引かねばならない。
しかし、三橋は不意打ちを看破したわけだし、かつノーダメージで相良を倒した点を考えると、今回は三橋の方が伊藤よりも評価を上にすべきか。
ただし、伊藤が大きなダメージを負ったからこそ、三橋は不意打ちを容易に予想できたとも言える。

同一の対戦相手での比較「智司」

特別な理由がなければ、三橋・伊藤すら戦いを避けようとする、高校生の中では唯一とも言っていい強敵の智司。

伊藤の場合 5巻P.162 6巻P.56 16巻P.75

(C)1988-1997 西森博之

智司にダウンさせられる伊藤。

しかしこれは前述の相良戦でのダメージを引きずってのバトル。

ただ、「これじゃ俺が、まともな時だってやべーぜ…」と心の中でごちている。

その後、再戦を挑んでいるので、完全に負けとは思っていない様子。

負けたままではいられないと、6巻P.56で再戦を挑みつつ、相手の負傷を見て取って、バトルせずに引く伊藤。

しかし、その後、自分の番長引退の前に「ケジメをつける」ために勝負を挑んできた智司。

智司に騙され、目を閉じたまま戦う伊藤。

そして、いくら殴られても目を開けない伊藤に感化されて、同じように目を閉じて戦い始める智司。

(C)1988-1997 西森博之

16巻P.75、ついに智司に負けを認めさせる伊藤。

ただし、根負けさせたと言う方が適切に感じる。

三橋の場合 6巻P.38

(C)1988-1997 西森博之

疲労があるはずの状態で三橋がくらわせた、相打ちの一発。

その後よろけて智司「くっ」と言わしめているので、それなりに重い一撃だったのでしょう。

ただし決着はついていない。

同一の対戦相手での比較「黒崎」

ルールなしに近い形での「武道」での戦い。
その後、黒崎が両者に因縁をつけてのストリートバトルにもつれ込む。

伊藤の場合 7巻P.91, P.122

(C)1988-1997 西森博之

黒崎当人いわく「油断」のせいで劣勢から、不意を疲いての目潰し。

さらに直後、再び意表をついて後ろから伊藤なぐる黒崎。

それにぶち切れた三橋に横槍を入れられ、伊藤は反則負けとなるため、余力を残したまま勝敗つかず。

とはいえ、不意をつかれ負ったケガにより、目に血が入って「こいつはやべーぜ」とは内心ごちていた。

(C)1988-1997 西森博之

P.122でストリートバトルとなり、相手の一撃を受けた上で反撃し、頭突き連打で相手を沈める。

三橋の場合 7巻P.110, P.128

三橋は「武道」の戦いにおいて畳を突然ひっくり返し、7巻P.110にて畳越しでの攻撃。ケンカとしては「勝った」が、ルール無用とはいえ武器所持とみなされての反則負け。

また、今回の条件である「正々堂々」にも反するため、評価の参考にはならず。

(C)1988-1997 西森博之

その後、P.128にて路上、「俺は伊藤の百倍強ーぞ!!」とのたまう。
つい先日は「伊藤は俺よか強え────!!」と叫んでいたのに。

同一の対戦相手での比較「中野」

三橋・伊藤に匹敵する戦闘力の持ち主である中野。

三橋の場合 9巻P.20

(C)1988-1997 西森博之

9巻P.20、多勢に囲まれたので、中野が共闘を持ちかけたうえでの、三橋への不意打ち。

これはさすがに予想できない。

はたから見ている読者すら予想するのは難しい流れなのだから、さすがの三橋も予測できなくても仕方がない。

伊藤の場合 9巻P.17, P.36, P.40, P.58

(C)1988-1997 西森博之

9巻P.17にて中野いわく、「おめーはあいつほど強かねーみてーだな!!」とのこと。あいつとは三橋のこと。三橋は自身のアクロバットな動きに対応できていたため、中野はそう感じた。十分に伊藤の恐ろしさを理解した上での評価ではない。

(C)1988-1997 西森博之

終始、中野の攻勢だが、いくら殴られても倒れない伊藤。

そしてP.36にて突然「金ちゃんは俺より強ェーぞ!!」。

意味不明なセリフだったが、その後の中野の推測によると、半ば戦闘不能に陥った三橋の名を貶めないよう、気遣っての一言らしい。

(C)1988-1997 西森博之

そして普通なら倒れたまま気力を失ってもいいくらいのダメージを負った上での、P.40にて伊藤の強烈な一撃。

三橋いわく「これだから伊藤はオッカネェ」。

(C)1988-1997 西森博之

P.58でついに中野が倒れたまま心の中で負けを認める。

同一の対戦相手での比較「相良」 part 2

訓練を積んでから再戦を挑んできた相良。

伊藤の場合 10巻 P.34

(C)1988-1997 西森博之

10巻P.34のシーン。

正々堂々にもかかわらず、伊藤の劣勢。

しかし決着がつかないまま、代打三橋。

伊藤は、当初劣勢でも、最終的にはノすとパターンが多いため、短時間での戦いでは評価しきれない。

三橋の場合 10巻 P.37

(C)1988-1997 西森博之

伊藤に「コイツの足技はけっこうキレるぞ!!」といわしめる相良だったが、10巻P.37にて三橋が圧倒的粉砕。

ただし、自分を挑発する目的で仲間を攻撃され、マジギレモード。

マジギレモードの三橋・伊藤はともに極端に戦闘能力があがるため、伊藤との差は「怒りの差」だったのかもしれない。

同一の対戦相手での比較「中野」 part 2

伊藤の場合 13巻P.134

(C)1988-1997 西森博之

共闘の直後、まだ二人にとってやばい状態を抜けていないのに、突然不意打ちをくらわす中野さん。13巻P.134にて。

これは意味不明すぎて、たとえ三橋であろうと予測はできなかったと思われる。

三橋の場合 13巻P.140

(C)1988-1997 西森博之

不意打ちにより立てなくなった伊藤に代わりバトルの三橋。

13巻P.140の状況

その後も決着がつかないまま、大勢のヤクザがやってきて逃亡。

野球のセンス

ケンカではないが運動神経をはかる指標としては参考になる情報。

伊藤の場合 17巻 P.178

(C)1988-1997 西森博之

三振。

…しかし、伊藤が野球のセンスがないのではなく、未経験者なので、これが普通だと思う。

三橋の場合 18巻 P.10

(C)1988-1997 西森博之

ホームラン。しかも偶然ではなく、狙っての一打。

…これは運動神経が良いとかいうレベルではない。

「大嶽」との対戦

伊藤の場合 22巻P.81 23巻P.11

(C)1988-1997 西森博之

大嶽に「勝てない」伊藤。

ただし、この時、伊藤は勘違い…というか大嶽の罠で、自分に引け目があったため、マインド面でブレーキがかかっていた。

(C)1988-1997 西森博之

そして、マジギレモードを発動し、伊藤の圧勝。23巻P.11。

「柳」との対戦

ナイフで本気で刺してくる相手。

伊藤の場合 23巻P.98

(C)1988-1997 西森博之

命中精度をアピールした上でナイフを振りかぶっているにもかかわらず、突っ込む伊藤。

何か策があるのかと動揺する柳、迷いなく走る伊藤。

「速い!!」と言わしめる電光石火とあいなる。

迷いのなさが強みといえる。

三橋の場合 23巻P.117

(C)1988-1997 西森博之

柳の投げナイフをすべて卓球のラケットで受ける神業。23巻P.117にて披露。

器用すぎる。

「ジャンボ」との対戦

三橋の場合 25巻P.168

(C)1988-1997 西森博之

25巻P.168にて。相手はプロレスラー。まともに戦っては勝てない圧倒的な格上。

しかし、持久力勝負で勝つ。

走るのが本業ではないと言っても、プロのスポーツ選手をぶっ倒れるほど走らせても、自身は多少息があがる程度なのだから、半端ではない。

同格の対戦相手での比較「樹茂」との対戦

凧葉道場門下生。

三橋の場合 29巻P.119

(C)1988-1997 西森博之

空中で体勢を変える曲芸での無傷の勝利。29巻P.119。

同格の対戦相手での比較「田井」

凧葉道場門下生。

伊藤の場合 29巻P.135

(C)1988-1997 西森博之

勝利を収めるが、相手の攻撃に耐えた上での、根性での勝利。29巻P.135。

同じ凧葉道場門下生とはいえ、樹茂とは別人なので比較にはならないか。

35巻P.148 最後の直接対決

(C)1988-1997 西森博之

マジギレモードではないが、ともに同一人物に騙された結果、お互いの譲れない理由での本気バトル。…のはずが結果は、35巻P.148での同一タイミングわざと空振り譲り合いで決着つかず。

多河いわく…

「根性者の伊藤」は「熱血、正義、誠実、直進型」。

「卑怯者の三橋」は「冷静、傲慢、悪辣、策士」。

結局、伊藤と三橋どちらが強い?

正々堂々と戦えばわからないというのが正直なところで、また、作者も確定させたくないように感じます。

「根性者」である伊藤は、智司や中野のように実力の逼迫した相手と相対すると、相手を根負けさせることで勝っています。

回避率や命中率の高い三橋はダメージが少ないまま勝利をおさめていますので、三橋に軍配があがるかもしれません。

しかし、気力や防御力では伊藤が勝るように思えるため、実際に戦った際の最終的な勝ち負けについては読めません。

ただし、「正々堂々」の前提を破棄しての総合力であれば、器用な三橋が「強い」と言ってよいように思えます。

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